「とりあえず空き家のまま置いておこう」——実家を相続したあと、そのまま放置してしまうケースは、本当に多いものです。
しかし空き家の放置は、維持費がかかり続けるだけでなく、倒壊・治安・近隣トラブル、さらに固定資産税の増額といったリスクを招きます。
この記事では、空き家を放置するとどんな費用とリスクが生じるのか、そして放置しないための選択肢を見ていきましょう。
空き家を放置する5つのリスク
- 建物の老朽化・倒壊:人が住まない家は傷みが早く、屋根や外壁の落下・倒壊の危険が高まる。
- 放火・不法侵入・治安の悪化:管理されていない家は狙われやすく、犯罪の温床になりやすい。
- 近隣トラブル・損害賠償:雑草や樹木の越境、瓦の落下などで近隣に被害が及ぶと、所有者が責任を問われることがある。
- 資産価値の下落:傷みが進むほど売却価格は下がり、解体費もかさむ。
- 「特定空家」への指定:管理不全と判断されると、行政指導や税負担増の対象になる。
放置していてもかかり続ける費用
空き家は使っていなくても、次の費用がかかり続けます。
- 固定資産税・都市計画税:所有している限り毎年課税される。
- 維持・管理費:庭木の手入れ、通風・通水、修繕、遠方なら交通費。
- 火災保険・地震保険:空き家は補償条件が変わることがある。
使う予定のない家に、毎年これらのお金が出ていく。年数を重ねるほど、その負担はじわじわと効いてきます。
「特定空家」「管理不全空家」に指定されると税金が上がる
住宅が建つ土地は「住宅用地の特例」で固定資産税が軽減(最大6分の1)されています。
ところが、空家対策特別措置法に基づき「特定空家」や「管理不全空家」に指定され、行政から勧告を受けると、この軽減が外れ、土地の固定資産税が大幅に上がります。
どのくらい上がるのか。小規模住宅用地の6分の1軽減が外れると、単純計算では最大6倍ですが、負担調整のしくみもあり、実際は3〜4倍程度になることが多いとされます。いずれにしても、負担が跳ね上がるのは間違いありません。
指定されると、行政の対応は次のように段階的に進みます。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 助言・指導 | まずは改善のよびかけ |
| 勧告 | この段階で住宅用地の軽減が外れ、固定資産税が上がる |
| 命令 | 従わないと50万円以下の過料の対象に |
| 行政代執行 | 行政が強制的に解体などを行い、費用を所有者に請求 |
2023年の法改正では、特定空家になる前の段階として「管理不全空家」が新設されました。より早い段階で指導・勧告の対象になり得るようになり、放置のリスクは以前より高まっています。
放置しないための4つの選択肢
- 売る:使う予定がないなら早めの売却が合理的。実家を売るか残すかを参照。
- 貸す・活用する:立地に需要があれば賃貸も選択肢。
- 解体する:老朽化が激しい場合は解体して更地に。ただし費用と税負担の変化に注意。解体してから売るべきかで比較。
- 管理する:すぐ決められないなら、空き家管理サービスで維持しつつ方針を検討。遠方の空き家を管理する方法で解説。
どの選択肢が自分に合うかは、家の状態・立地・家族の事情で変わります。判断の入口として、まずは自分の空き家がどの段階にあるかを下の診断で確かめてみてください。
よくある質問
Q. 空き家の固定資産税は本当に上がるのですか?
A. 放置しているだけで、すぐ上がるわけではありません。ただし「特定空家」「管理不全空家」に指定され勧告を受けると、住宅用地の軽減が外れて土地の固定資産税が大きく上がります。適切に管理していれば、通常は軽減が維持されます。
Q. 「管理不全空家」とは何ですか?
A. 2023年の法改正で新設された区分で、そのまま放置すると特定空家になるおそれのある状態の空き家を指します。特定空家より前の段階で、指導・勧告の対象になり得ます。早めに手を打つほど安心です。
Q. しばらく決められない場合はどうすれば?
A. 空き家管理サービスを使って最低限の維持(通風・見回り)を確保しつつ、売却・活用・解体の方針をじっくり検討するのがおすすめです。放置だけは避けましょう。
Q. 空き家を持っているだけで罰則はありますか?
A. 適切に管理していれば問題ありません。ただし行政の勧告・命令に従わない場合は、過料の対象になり得ます。近隣に危険が及ぶ前に対処することが大切です。
参考にした公的情報
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※ 本記事は一般的な情報です。制度の運用や税の扱いは自治体・個別事情により異なります。詳細は自治体窓口や専門家にご確認ください。

