親が施設に入り、実家が空き家になった——このとき「実家をどうするか」を、つい先送りにしてしまう方は多いものです。
しかし親が存命で判断能力があるうちは、本人の意思を確認しながら実家の方針を決められる貴重なタイミングでもあります。
この記事では、親が施設に入った後の実家の選択肢と、判断のポイントを見ていきましょう。
施設入居後の実家、3つの選択肢
| 選択肢 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 売却して介護費用に | まとまった資金を確保できる | 戻る予定がなく、費用に不安がある |
| 賃貸に出す | 家賃収入を得られるが手間も | 立地に賃貸需要がある |
| 管理しながら残す | いつでも使えるが維持費が続く | 戻る可能性や気持ちの整理を優先 |
- 売却して介護費用にあてる:使う予定がないなら、売却してまとまった資金を確保する。
- 賃貸に出す:立地に需要があれば、家賃収入を介護費用の一部にできる。ただし修繕・管理の手間がある。
- 管理しながら残す:将来戻る可能性や気持ちの整理のため保有。ただし維持費はかかり続ける。
「親が元気なうち」に決めるメリット
実家の売却や賃貸契約には、名義人である親本人の意思が必要です。認知症などで判断能力が低下すると、本人による売却ができなくなり、成年後見人を立てる必要が生じます。
手続きや時間の負担が大きくなるため、親が元気なうちに本人の希望を聞き、方針を決めておくことが大切です。準備しておきたいことは親が元気なうちに確認しておくことにまとめています。
認知症になると、なぜ売却が難しくなるのか
判断能力が低下すると、家庭裁判所に申し立てて成年後見人を選んでもらう必要があります。その負担は、想像以上に大きいものです。
- 時間がかかる:後見人の選任まで、数か月かかることがある。
- 家庭裁判所の許可が必要:親の居住用不動産を売るには、後見人がついても家裁の許可がいる。
- 費用が続く:専門職が後見人になると、報酬が継続的に発生する。
- 自由に決められない:後見は「本人の財産を守る」制度で、家族の都合だけでは売れない。
つまり、売却を考えるなら親の判断能力が確かなうちが動きやすい、ということ。焦って決める必要はありませんが、タイミングは意識しておきたいところです。
空き家の維持費と放置リスク
「いつか戻るかも」と空き家のまま置いておくと、固定資産税・管理費がかかり続け、建物も傷みます。
放置して管理不全と判断されると、固定資産税の軽減が外れて負担が増えることも。詳しくは空き家を放置するとかかる費用とリスクを参照してください。当面保有するなら、空き家管理サービスの活用も検討しましょう。
判断のポイント
- 介護費用の見通し:今後の費用に、実家の売却資金が必要か。
- 戻る可能性:親が実家に戻る現実的な見込みがあるか。
- 維持できるか:空き家の維持費と管理を、無理なく続けられるか。
- 本人・家族の気持ち:急がず、本人と家族の納得を大切に。
施設入居後の実家を売る・貸す・残すのどれにするかは、家族の事情で変わります。迷ったら、下の診断で自分たちに合う方向を確かめてみてください。
よくある質問
Q. 親名義の実家を子が勝手に売れますか?
A. 売れません。名義人である親本人の意思と手続きが必要です。判断能力が低下している場合は、成年後見制度の利用が必要になることがあります。
Q. 施設費用のために実家を売るのは一般的ですか?
A. よくある選択です。使う予定のない実家を売却して介護費用にあてるケースは多く、親が元気なうちなら本人の意思で進められます。
Q. 認知症になってからでは、もう売れませんか?
A. まったく売れないわけではありませんが、成年後見人の選任と家庭裁判所の許可が必要になり、時間も手間もかかります。売却を視野に入れているなら、判断能力があるうちに検討しておくのが安心です。
Q. まだ決められないときは?
A. 空き家管理サービスで最低限の維持を確保しつつ、方針を検討しましょう。放置は避け、まず査定で相場だけでも把握しておくと判断しやすくなります。
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※ 本記事は一般的な情報です。成年後見・税・売却の詳細は、専門家にご確認ください。

