実家や親の財産のことは、つい「まだ元気だから」と後回しにしがちです。けれど、親が元気で判断力があるうちにこそ、確認・準備しておくべきことがあります。
認知症などで判断能力が低下すると、実家の売却や契約の整理が一気に難しくなるからです。
この記事では、親が元気なうちに家族で確認しておきたいことと、切り出し方のコツを見ていきましょう。
なぜ「元気なうち」が大切なのか
親の判断能力が低下すると、本人の意思確認ができず、実家の売却や預貯金の引き出しに「成年後見人」が必要になるなど、手続きが大きく制限されます。
元気なうちであれば、本人の希望を聞きながら、家や財産の整理をスムーズに進められます。「まだ早い」と思う時期に始めるのが、ちょうどよいタイミングです。
元気なうちに確認・準備したい7つのこと
- 家の名義と権利証の場所:誰の名義か、権利証(登記識別情報)はどこにあるか。
- 預貯金・保険・年金の一覧:どの金融機関・保険会社と取引があるか。
- 各種契約:電気・ガス・水道・通信・サブスクなど、解約が必要になる契約の把握。
- 家をどうしたいか本人の希望:住み続けたいのか、いずれ手放してよいのか。
- 家財の生前整理:思い出の品や大切な物を本人と確認しながら少しずつ減らす。
- 相続の大枠:遺言の有無、誰に何を、といった意向。必要なら専門家に相談。
- 家族での情報共有:兄弟姉妹も含め、上記を共有しておく。
元気なうちにできる「備え」の選択肢
情報の整理に加えて、将来にそなえる仕組みもあります。認知症になってからでは使えないものもあるので、元気なうちに知っておきましょう。
| 備え | 内容 |
|---|---|
| 生前整理 | 家財・書類を元気なうちに整理しておく |
| エンディングノート | 財産・契約・希望・連絡先を書き残す |
| 任意後見契約 | 将来をまかせる後見人を、自分で決めておく |
| 家族信託 | 財産の管理を家族に託し、認知症後も家族が対応できるようにする |
とくにエンディングノートは、費用もかからず今すぐ始められる第一歩。任意後見や家族信託は、実家の売却を見据えるなら有効ですが、契約に専門知識がいるため、司法書士など専門家に相談しながら検討しましょう。
親にどう切り出す?
「家をどうするの?」といきなり聞くと、親は「早く死ねということか」と身構えてしまうことがあります。次のような切り出し方が有効です。
- 否定せず、心配している姿勢で:「困らないように一緒に整理しておきたい」と伝える。
- 自分の話とセットで:「うちも保険を見直したから、実家も一緒に確認しない?」など。
- 一度に全部やろうとしない:まずは書類の場所だけ、など小さく始める。
- きっかけを使う:帰省、親の入院・退院、知人の相続話などのタイミングで。
親が元気なうちの準備は、後々の実家じまいの負担を大きく減らします。今の家族の状況で何から話しておくべきか、下の診断で確かめてみてください。
よくある質問
Q. 親が話したがらない場合は?
A. 無理に進めず、まずは「書類の場所を教えて」など負担の少ないことから始めましょう。心配している気持ちを伝え、時間をかけて少しずつ話すのがコツです。
Q. 認知症になってしまったら実家は売れませんか?
A. 判断能力が低下すると、本人による売却は難しくなり、成年後見制度の利用が必要になる場合があります。手続きや時間の負担が増えるため、元気なうちの準備が重要です。
Q. エンディングノートは何を書けばいい?
A. 決まった形式はありません。家の名義・預貯金・保険・契約の一覧、そして「家をどうしたいか」といった希望を書いておくと、家族がとても助かります。書けるところから少しずつで大丈夫です。
Q. 生前整理は何から始めればいい?
A. 重要書類や貴重品の在りかの確認から始めるのがおすすめです。家財は本人と相談しながら、使っていない物から少しずつ減らしていきましょう。
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※ 本記事は一般的な情報です。相続・後見・税の詳細は、司法書士・税理士など専門家にご確認ください。

